公開日 2022.09.20
最終更新日 2023.09.13

データレスPCとは|リモートワークにも適している仕組みやメリットを解説
目次
近年、新型コロナウイルスの流行や働き方改革などの情勢に合わせて、リモートワークを導入する企業が増えてきています。リモートワークを実施するには、従業員がリモートワークに使用する設備が自宅に整っていないといけません。特にPCは必ず所持していないと、自宅で業務にあたることすらできないでしょう。
そこで、当記事ではテレワークに適している「データレスPC」というPCの詳細について解説します。データレスPCはクラウドストレージなどを使って、従業員間で情報を共有するのに適した設定がされているPCなので、これからリモートワークを導入しようとしている企業の方や、従業員の方はぜひ参考にしてみてください。
※本記事は、記事に記載の事業主の広告を含んでいます。
※本記事の作成は当社自身がその判断により行っており、当該事業主の意向が反映されることはありません。
リモートワークにも適しているとされる「データレスPC」とは

データレスPCとは、PCで作成したファイルなどのデータを内部ストレージに保存しないように設定されているPCのことを指します。データレスPCにはソフトウェアのみが内蔵されており、作成したデータはクラウド上に保管することになるのが特徴です。
PCの内部にデータを保管せず、セキュリティ性能の高いクラウドストレージに保管することで、データの安全性を確保できるのがデータレスPCの強みとも言えます。
テレワークのように社内情報の共有などをクラウドストレージで行う場合には、クラウドストレージを主として利用するデータレスPCが適しています。
データレスPCの仕組み
データレスPCには専用のアプリケーションがインストールしてあり、データをハードディスクなどのローカルのストレージ装置に保管できないような設定が施されています。そのためデータレスPCを利用する際は、ソフトウェアを起動してクラウド上のストレージサービスからファイルなどを読み込んでクラウド上で編集を行い、保存や複製なども全てクラウド上で完結させます。
つまり、PC本体にはデータが全く残らない仕組みとなっているため、紛失や盗難にあっても重要なデータの漏洩を防ぐことが可能です。
データレスPCとVDI(仮想デスクトップ)の違い
データレスPCと混同されやすいもので、VDI(仮想デスクトップ)というのがあります。VDIは仮想デスクトップと呼ばれ、サーバ上にあるデスクトップ環境を端末に転送して利用できるようにするサービスです。データレスPCとVDIには主に以下のような違いがあります。
【データレスPCとVDI(仮想デスクトップ)の違い】
データレスPC
VDI(仮想デスクトップ)
データ保存
サーバー上に保存
データセンターに保存
操作性
〇
PC側の資源を使用、外部の影響を受けずに利用可能
△
サーバー側の資源を使用、外部の影響を受けやすい
オフライン利用
〇
オフラインでも使用可能
×
オンライン状態でないと使用不可
費用
〇
△
初期費用が高い
利用者側の手間
△
アップデートなどは利用者が行う
〇
サーバー側で一括に管理される
基本的にVDIは初期投資が必要となるため、データレスPCと比べると費用がかかります。また、仮想デスクトップ環境では運用において高度な知識(仮想化、サーバー、ストレージなど)が必要とされますが、データレスPCだと高度な知識は不要で運用可能です。
データレスPCのメリット

データレスPCは内部にデータを保管せず、クラウド上で編集・保管・複製を行う仕組みとなっているため、様々なメリットがあります。特に注目すべきメリットとしては以下の4点が挙げられます。
【データレスPCのメリット】
- 情報漏えいを防ぐことが可能
- データ損失の心配がない
- 社内でも社外でも使用可能
- BCP(事業継続計画)対策にもなる
クラウド上で管理することでセキュアなデータ保管の実現が可能です。クラウドストレージは従来までセキュリティ面に不安があるとされてきましたが、近年の進歩によりセキュリティ面は大幅に改善されています。
情報漏えいを防ぐことが可能
データレスPCの場合、PC自体にデータを保管しないため、紛失や盗難が発生したとしてもデータが盗まれる心配はありません。カフェなどの外部で作業をしている際に、画面をみられて情報が流出することは考えられますが、物理的な流出以外の面でみればデータレスPC自体のセキュリティは万全と言えるでしょう。
データ損失の心配がない
内部にデータを保管する通常のPCの場合、PCの故障やウイルスなどが発生すると、保管していたデータを損失してしまう可能性があります。しかし、データレスPCならセキュアなクラウド上でのみデータを保管するため、PCを紛失したりウイルスに感染したりしてもデータを損失する心配がないです。
社内でも社外でも使用可能
データレスPCは、インターネット環境があれば社内でも社外でも使用ができます。データファイルはクラウドストレージ上で共有可能なため、どこからでも特定のファイルの編集・保管が可能です。
また、データレスPCなら社内用のPCから社外用のPCにデータを移動し忘れるといったミスも無くなり、いつでもPCを開けばデータの確認ができる点も大きなメリットと言えます。データレスPCは社外と社内で使用するPCを分けている(デスクトップとノートPCなど)方などにおすすめです。
BCP(事業継続計画)対策にもなる
データレスPCを使用すれば、万全なセキュリティ対策が施されているクラウドストレージを使うことになるため、高い安全性と堅ろう性、運用性が実現します。そのため、BCP対策としても役立つ一面があります。
*BCP(事業継続計画)対策とは、企業がテロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のこと
具体的な対策内容として、複数のデータセンターでの同時自動複製が挙げられます。クラウドストレージでは、物理的損失でデータを紛失した際でも完全な紛失とならないように、保存したファイルデータを異なる複数のデータセンターで同時に複製しておいてくれます。これによりBCP対策ができて、企業は安全性の高いデータの運用が実現するようになるでしょう。
データレスPCのデメリット

データレスPCにはセキュアなデータ保管が実現するといったメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。
【データレスPCのデメリット】
- 費用がかかる
- ネットワークがないとクラウド上にあるデータを読み込めない
データレスPCを新たに導入するとなると、初期費用やランニングコストがかかってしまいます。ネット環境が無い場合にはネット環境の構築も必要となるためさらに費用が掛かってしまうでしょう。ネット上のクラウドストレージに頼るからこそ、利用における準備が必要となるデメリットは把握しておかなくてはなりません。
費用がかかる
データレスPCはセキュリティ面、利便性など得られるメリットが大きいですが、その分費用が掛かります。特別料金が高いといった設定ではありませんが、人によっては「ちょっと…」と渋ってしまうことも考えられるでしょう。
以下では例として「NTTのおまかせデータレスPC」の料金プランをご紹介します。費用感を把握して導入の検討素材として役立ててください。
【おまかせデータレスPCの料金プラン】
プラン
レンタルパソコン
Microsoft 365
Office 365
初期費用
月額利用料
B5ノート
HP社
ProBook
最低利用期間3年
(中途解約金あり)
Microsoft 365 Apps for business
不用
7,700円/台
A4ノート
HP社
ProBook
最低利用期間3年
(中途解約金あり)
デスクトップ
HP社
EliteDesk最低利用期間4年
(中途解約金あり)
B5ノート
HP社
ProBook
最低利用期間3年
(中途解約金あり)
Microsoft 365 Business Standard
8,580円/台
タブレット
Microsoft社
Surface Pro
最低利用期間3年
(中途解約金あり)
Microsoft 365 Business Standard
12,100円/台
ネットワークがないとクラウド上にあるデータを読み込めない
データレスPCはネットワークに繋ぐことを前提として考えられています。クラウドストレージに接続してデータの読み込みを行わないと、結果的に編集も保管もできません。そのため、ネット環境が整えられていない場合にはネット環境を構築するところから始める必要があります。
おまかせデータレスPCならインターネット接続サービスも同時に進めてくれるプランとなっているため、ゼロからスタートをしたい方でも安心して導入することができるでしょう。
まとめ
データレスPCは、データの保管や編集といった作業を全てネット上で全て完結できます。そのため、社外で業務にあたることになるリモートワークには最適です。
基本的にはクラウドストレージにデータを保管して、作業をする際はクラウドストレージから再度読み込んで編集をします。クラウド上ですべての作業か完結するため、クラウドストレージのセキュリティが徹底されていればデータの漏洩を防ぐことにも繋がるのが強みです。
リモートワークのように社内で業務を管理しなくなることが増えて、情報の管理を徹底したいと考えている場合にはデータレスPCが最適と言えるでしょう。ただ、初期費用やランニングコストが人によっては高いと感じる場合もあるので、導入を検討する際は料金プランと合わせて念入りに検討してから導入してください。
近年、新型コロナウイルスの流行や働き方改革などの情勢に合わせて、リモートワークを導入する企業が増えてきています。リモートワークを実施するには、従業員がリモートワークに使用する設備が自宅に整っていないといけません。特にPCは必ず所持していないと、自宅で業務にあたることすらできないでしょう。
そこで、当記事ではテレワークに適している「データレスPC」というPCの詳細について解説します。データレスPCはクラウドストレージなどを使って、従業員間で情報を共有するのに適した設定がされているPCなので、これからリモートワークを導入しようとしている企業の方や、従業員の方はぜひ参考にしてみてください。
※本記事は、記事に記載の事業主の広告を含んでいます。
※本記事の作成は当社自身がその判断により行っており、当該事業主の意向が反映されることはありません。
リモートワークにも適しているとされる「データレスPC」とは
データレスPCとは、PCで作成したファイルなどのデータを内部ストレージに保存しないように設定されているPCのことを指します。データレスPCにはソフトウェアのみが内蔵されており、作成したデータはクラウド上に保管することになるのが特徴です。
PCの内部にデータを保管せず、セキュリティ性能の高いクラウドストレージに保管することで、データの安全性を確保できるのがデータレスPCの強みとも言えます。
テレワークのように社内情報の共有などをクラウドストレージで行う場合には、クラウドストレージを主として利用するデータレスPCが適しています。
データレスPCの仕組み
データレスPCには専用のアプリケーションがインストールしてあり、データをハードディスクなどのローカルのストレージ装置に保管できないような設定が施されています。そのためデータレスPCを利用する際は、ソフトウェアを起動してクラウド上のストレージサービスからファイルなどを読み込んでクラウド上で編集を行い、保存や複製なども全てクラウド上で完結させます。
つまり、PC本体にはデータが全く残らない仕組みとなっているため、紛失や盗難にあっても重要なデータの漏洩を防ぐことが可能です。
データレスPCとVDI(仮想デスクトップ)の違い
データレスPCと混同されやすいもので、VDI(仮想デスクトップ)というのがあります。VDIは仮想デスクトップと呼ばれ、サーバ上にあるデスクトップ環境を端末に転送して利用できるようにするサービスです。データレスPCとVDIには主に以下のような違いがあります。
【データレスPCとVDI(仮想デスクトップ)の違い】
データレスPC |
VDI(仮想デスクトップ) |
|
データ保存 |
サーバー上に保存 |
データセンターに保存 |
操作性 |
〇 PC側の資源を使用、外部の影響を受けずに利用可能 |
△ サーバー側の資源を使用、外部の影響を受けやすい |
オフライン利用 |
〇 オフラインでも使用可能 |
× オンライン状態でないと使用不可 |
費用 |
〇 |
△ 初期費用が高い |
利用者側の手間 |
△ アップデートなどは利用者が行う |
〇 サーバー側で一括に管理される |
基本的にVDIは初期投資が必要となるため、データレスPCと比べると費用がかかります。また、仮想デスクトップ環境では運用において高度な知識(仮想化、サーバー、ストレージなど)が必要とされますが、データレスPCだと高度な知識は不要で運用可能です。
データレスPCのメリット
データレスPCは内部にデータを保管せず、クラウド上で編集・保管・複製を行う仕組みとなっているため、様々なメリットがあります。特に注目すべきメリットとしては以下の4点が挙げられます。
【データレスPCのメリット】
- 情報漏えいを防ぐことが可能
- データ損失の心配がない
- 社内でも社外でも使用可能
- BCP(事業継続計画)対策にもなる
クラウド上で管理することでセキュアなデータ保管の実現が可能です。クラウドストレージは従来までセキュリティ面に不安があるとされてきましたが、近年の進歩によりセキュリティ面は大幅に改善されています。
情報漏えいを防ぐことが可能
データレスPCの場合、PC自体にデータを保管しないため、紛失や盗難が発生したとしてもデータが盗まれる心配はありません。カフェなどの外部で作業をしている際に、画面をみられて情報が流出することは考えられますが、物理的な流出以外の面でみればデータレスPC自体のセキュリティは万全と言えるでしょう。
データ損失の心配がない
内部にデータを保管する通常のPCの場合、PCの故障やウイルスなどが発生すると、保管していたデータを損失してしまう可能性があります。しかし、データレスPCならセキュアなクラウド上でのみデータを保管するため、PCを紛失したりウイルスに感染したりしてもデータを損失する心配がないです。
社内でも社外でも使用可能
データレスPCは、インターネット環境があれば社内でも社外でも使用ができます。データファイルはクラウドストレージ上で共有可能なため、どこからでも特定のファイルの編集・保管が可能です。
また、データレスPCなら社内用のPCから社外用のPCにデータを移動し忘れるといったミスも無くなり、いつでもPCを開けばデータの確認ができる点も大きなメリットと言えます。データレスPCは社外と社内で使用するPCを分けている(デスクトップとノートPCなど)方などにおすすめです。
BCP(事業継続計画)対策にもなる
データレスPCを使用すれば、万全なセキュリティ対策が施されているクラウドストレージを使うことになるため、高い安全性と堅ろう性、運用性が実現します。そのため、BCP対策としても役立つ一面があります。
*BCP(事業継続計画)対策とは、企業がテロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のこと
具体的な対策内容として、複数のデータセンターでの同時自動複製が挙げられます。クラウドストレージでは、物理的損失でデータを紛失した際でも完全な紛失とならないように、保存したファイルデータを異なる複数のデータセンターで同時に複製しておいてくれます。これによりBCP対策ができて、企業は安全性の高いデータの運用が実現するようになるでしょう。
データレスPCのデメリット
データレスPCにはセキュアなデータ保管が実現するといったメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。
【データレスPCのデメリット】
- 費用がかかる
- ネットワークがないとクラウド上にあるデータを読み込めない
データレスPCを新たに導入するとなると、初期費用やランニングコストがかかってしまいます。ネット環境が無い場合にはネット環境の構築も必要となるためさらに費用が掛かってしまうでしょう。ネット上のクラウドストレージに頼るからこそ、利用における準備が必要となるデメリットは把握しておかなくてはなりません。
費用がかかる
データレスPCはセキュリティ面、利便性など得られるメリットが大きいですが、その分費用が掛かります。特別料金が高いといった設定ではありませんが、人によっては「ちょっと…」と渋ってしまうことも考えられるでしょう。
以下では例として「NTTのおまかせデータレスPC」の料金プランをご紹介します。費用感を把握して導入の検討素材として役立ててください。
【おまかせデータレスPCの料金プラン】
プラン |
レンタルパソコン |
Microsoft 365 Office 365 |
初期費用 |
月額利用料 |
B5ノート |
HP社 ProBook 最低利用期間3年 (中途解約金あり) |
Microsoft 365 Apps for business |
不用 |
7,700円/台 |
A4ノート |
HP社 ProBook 最低利用期間3年 (中途解約金あり) |
|||
デスクトップ |
HP社 EliteDesk最低利用期間4年 (中途解約金あり) |
|||
B5ノート |
HP社 ProBook 最低利用期間3年 (中途解約金あり) |
Microsoft 365 Business Standard |
8,580円/台 |
|
タブレット |
Microsoft社 Surface Pro 最低利用期間3年 (中途解約金あり) |
Microsoft 365 Business Standard |
12,100円/台 |
ネットワークがないとクラウド上にあるデータを読み込めない
データレスPCはネットワークに繋ぐことを前提として考えられています。クラウドストレージに接続してデータの読み込みを行わないと、結果的に編集も保管もできません。そのため、ネット環境が整えられていない場合にはネット環境を構築するところから始める必要があります。
おまかせデータレスPCならインターネット接続サービスも同時に進めてくれるプランとなっているため、ゼロからスタートをしたい方でも安心して導入することができるでしょう。
まとめ
データレスPCは、データの保管や編集といった作業を全てネット上で全て完結できます。そのため、社外で業務にあたることになるリモートワークには最適です。
基本的にはクラウドストレージにデータを保管して、作業をする際はクラウドストレージから再度読み込んで編集をします。クラウド上ですべての作業か完結するため、クラウドストレージのセキュリティが徹底されていればデータの漏洩を防ぐことにも繋がるのが強みです。
リモートワークのように社内で業務を管理しなくなることが増えて、情報の管理を徹底したいと考えている場合にはデータレスPCが最適と言えるでしょう。ただ、初期費用やランニングコストが人によっては高いと感じる場合もあるので、導入を検討する際は料金プランと合わせて念入りに検討してから導入してください。