仕事

公開日 2022.08.30
最終更新日 2023.09.13

ワーケーションの意味とは|メリット・デメリットに加えその魅力も紹介!

近年、日本でも注目されてきているワーケーションは働く社員、企業、ワーケーション先として選ばれる地域にとって大きなメリットがある魅力的な取り組みです。

 

当記事では、ワーケーションの意味や特徴から、企業・社員・地域それぞれのメリット・デメリット、さらにはワーケーションを行うにはどのような準備が必要なのかを解説しています。ワーケーションをやってみたいと思う社員の方や、導入を検討している企業の方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

※本記事は、記事に記載の事業主の広告を含んでいます。
※本記事の作成は当社自身がその判断により行っており、当該事業主の意向が反映されることはありません。

 

ワーケーションの意味とは

ワーケーションとは「ワーク(work)」と「バケーション(vacation)」の二つの言葉を合わせた造語です。意味は、言葉の通り「仕事」と「休暇」が合わさった、会社ではない場所で休暇を楽しみながら仕事をする働き方のことを指します。

 

このワーケーションは観光庁でも「観光地やリゾート地など、会社とは離れた場所で休暇を楽しみながら働くスタイル」と定義されていて、厚生労働省でもテレワークの一形態として位置付けるとされています。

 

そもそもテレワーク・リモートワークとは会社が認めた会社以外の特定の場所で働くことです。一方ワーケーションは、休暇中に会社から離れた観光地やリゾート地などの旅行先で仕事をすることであり、同じ「会社以外の場所で働く」でも違いがあります。

 

ワーケーションが提唱されるようになった背景

ワーケーションは2000年代のアメリカで、有給休暇取得率を上げるために始まったと言われています。日本では、ワーケーションが提唱されるようになった大きな理由の一つに、新型コロナウイルスの流行があります。

 

2020年には緊急事態宣言が出され、全ての生活面において様々な変化があったことは記憶に新しいかと思います。それまでは普及が少なかったリモートワークも、コロナ禍をきっかけに多くの企業が導入し「人混みを避ける」という感染対策をしながら働ける環境に変わっていきました。

 

一方経済の損失が非常に大きかった観光業界に対し、少しでも利益をもたらそうと提唱され始めたものの一つがワーケーションです。観光地に行くことで経済が回り、密を避けてコロナ感染対策もでき、さらには休暇をしっかり取れて働き方改革にもつながるワーケーションは、政府から推奨されるようになりました。

 

ワーケーションのタイプはさまざま

休暇を楽しみながら仕事をするワーケーションですが、観光地などに行ってリモートワークをするといった形以外にも様々なタイプがあります。日本ワーケーション協会では、ワーケーションを以下のタイプに分類しています。

 

  • 休暇活用型

休暇で観光を楽しみつつ普段の仕事も行う

 

  • 拠点移動型

生活や働く拠点を移したり分散させたりする

 

  • 会議型

普段の職場と異なる場所で集中的に討議を行う

 

  • 研修型

普段の職場と異なる場所で集中的に研修を行う

 

  • 新価値創造型

企業間の交流を通じて新たなビジネスを生み出す

 

  • 地域課題解決型

地域への貢献や課題解決を目指す

 

  • 福利厚生型

健康増進やリカレントなどの社員の動機付けを行う

 

一般的にイメージされているワーケーションは休暇活用型ですが他にも様々なタイプがあり、期間や対象者、目的なども様々です。どれも普段とは異なった環境で仕事を行うことで仕事への生産性がアップしたり、気持ちもリフレッシュしたりと結果的に仕事に良い影響があると考えられています。

 

ワーケーションの魅力と注目される理由

コロナ禍においてワーケーションは、企業・社員・地域のそれぞれが様々なメリットを得られるため注目されています。

 

普段の職場とは異なる場所での仕事により、気持ちのリフレッシュや生産性の向上を図ったり、有給休暇を取得しプライベートの旅行も楽しめたりします。そのため、ワーケーションで社員が感じられる魅力は非常に大きいといえるでしょう。仕事とのメリハリを付けながら、生産効率を高める手段として最適な仕組みと言えます。

 

ワーケーションには立場によってメリット・デメリットがある

一般的なワーケーションのタイプである休暇活用型をはじめ、ワーケーションには様々なメリットやデメリットがありますが、以下の立場によってその内容が異なってきます。

 

  • 企業側のメリット・デメリット
  • 働く側のメリット・デメリット
  • 地域にとってのメリット・デメリット

 

ワーケーションは企業・社員・地域で得られるそれぞれの効果があるからこそ成り立っています。それぞれのメリットとデメリットを把握して、ワーケーションの価値を確認しておきましょう。

 

企業側のメリット・デメリット

ワーケーションを取り入れる企業には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

 

【企業のメリット】

  • 社員の満足度の向上
  • 有給取得率の向上
  • 採用活動の向上

 

【企業のデメリット】

  • コストがかかる
  • セキュリティ面のリスク
  • 労働時間管理の見直しが必要

 

企業側には社員の満足度やメンタルの安定を図りながら、有給休暇の取得率アップできるというメリットがあります。その分、導入の際にはコストをかけセキュリティや労働時間の管理方法をアップデートしていかなくては、結果的にワーケーションの取り組みが失敗となってしまうケースもあります。ワーケーションをきちんと導入できている企業というのはその企業の大きな魅力に繋がるでしょう。

 

働く側のメリット・デメリット

ワーケーションを行う働く側の社員・従業員には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

 

【働く人のメリット】

  • 気持ちのリフレッシュができる
  • 仕事の生産性やアイデア力の向上
  • ワークライフバランスの向上

 

【働く人のデメリット】

  • 仕事と休暇の切り替えが難しい
  • 導入にコストや時間がかかる
  • 慣れない土地で仕事環境を作ることに時間がかかる

 

働く社員は有給休暇を取って観光地でリフレッシュして楽しみながら仕事を行うことで、ワークライフバランスを向上させられることが大きなメリットです。導入や実際の観光地に到着してから仕事に取り掛かるまでは慣れないかもしれませんが、生産性や新しいアイデアが出てくるなど仕事に良い影響が出ることが多いと言われています。ただし、プラベートと仕事のメリハリがつけられない人にとっては、生産性を低下させる制度として機能してしまうので注意が必要になるでしょう。

 

地域にとってのメリット・デメリット

ワーケーションを受け入れる地域・自治体には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

 

【地域のメリット】

  • 観光事業の経済効果向上
  • 地域活性化
  • 関係人口の増加

 

【地域のデメリット】

  • 環境整備のコスト増加
  • 環境整備に時間がかかる
  • 感染症拡大のリスク

 

地域にとってのメリットやデメリットは、休暇活用型だけでなく拠点移動型や会議・研修型などを見据えてのものが多く見られます。観光地としての魅力も増加しつつ、仕事ができるための環境も整えなくてはいけないため地域側の負担は大きいですが、その分ワーケーション先に選ばれた時のメリットも大きいといえます。

 

実際に、ワーケーションの誘致を行うことで地域活性化に成功している事例もあるので「ワーケーションができる観光地」というアピールポイントは時代に合っている魅力的な地域と言えるでしょう。

 

ワーケーションに向いている職業

ワーケーションは、職場から離れても作業ができる職業でないと成立しません。そのため、パソコンでの作業をメインとするIT関係の職業などは向いており、すでにワーケーションを実施している企業は多々あります。また、フリーランスなどでパソコン作業をしている人にとってもワーケーションは人気の取り組みとして取り入れられています。

 

さらに、観光地などに行くことによって気持ちがリフレッシュできることから、アイデア力を問われる職業の人は普段の環境から離れて刺激を受けることで生産性がアップされるとも言われています。企画・開発などの担当であればワーケーションで気持ちを切り替えて、創造力を働かせることも可能です。

 

ワーケーションに適した環境

休暇活用型ワーケーションでは、普段と違った環境下で仕事をすることになるため、仕事の質を落とさないようなワーケーションに適した場所を選択する必要が出てくるでしょう。何の準備もせずにワーケーションを実施したら、ただの旅行と違いがなくなってしまうため注意してください。

 

ワーケーションを効率的なものとするためには、以下で示す2点を意識しておかないといけません。「意味のある休暇」にするためにも、以下の2点を意識してワーケーション先の選定や必要なものの準備を行ないましょう。

  • ワーケーションに必要なもの
  • ワーケーションに適した場所

 

ワーケーションに必要なもの

休暇活用型ワーケーションで、普段と違う場所でパソコン作業を行う際には以下のようなものを用意する必要があります。

 

【ワーケーションに必要なもの】

  • WiFi環境
  • モバイルバッテリー・充電ケーブル
  • ノイズキャンセリング機能付きイヤホン
  • パソコン・スマホスタンド類

 

WiFi環境や充電グッズなど、パソコン作業を行うのに欠かせないものは忘れられません。また、ワーケーション先は静かにリモートワークができる場所とは限られず、慣れない場所での環境音が集中を妨げることもあるため、ノイズキャンセリングができるイヤホンは重宝されます。

 

 

 普段の作業場所とは異なるため、パソコン用のデスクがないかもしれないという想定も必要で、パソコンやスマホスタンドをうまく活用しましょう。最近では膝の上に載せられる小型のテーブルもあるので、ソファなどに座りながら楽な体制でパソコン作業を行うこともできます。

 

必要なものを用意し、休暇を楽しみながら仕事をするといったワーケーション本来の良さを引き出してみてください。

 

ワーケーションに適した場所

休暇活用型ワーケーションに適した場所と、以下のように選び方のポイントをまとめました。

 

【ワーケーションに適した場所】

  • ホテル・旅館
  • コワーキングスペースやレンタルスペースなど
  • 宿泊先付近のカフェなど
  • ワーケーションプランのある宿泊先

 

【ワーケーションに選び方のポイント】

  • ワーケーションを誘致している自治体を選ぶ
  • 休暇としても過ごせる場所から選ぶ
  • 仕事と休暇の切り替えができる環境を選ぶ

 

ワーケーションは観光地などで行うため、人が必然的に多くなりますが、仕事をする際は必ず人が少なくなる場所を確保して実施するようにしましょう。そうしないと、仕事とプライベートの切り替えがうまくいかずに非効率な業務を行うことになりかねません。宿泊先の部屋で作業をする以外にも、ワーケーションを誘致している地域ではコワーキングスペースなどで集中できる環境やサービスを提供している場所も多くあります。

 

また、ワーケーション先を選ぶ際には、上記のようなワーケーションに適した場所がしっかりと確保できるかというポイントも重要ですが、休暇先としての魅力がしっかりとあるのかも重要です。

 

まとめ

コロナ禍になり注目され始めたワーケーションには、多くの魅力が存在します。企業・社員・地域のメリットとデメリットを踏まえたうえで、ワーケーションを導入できる環境をしっかりと整えれば、それぞれに良い効果をもたらすことができます。

 

特に休暇活用型ワーケーションでは、観光地などで休暇を楽しみ気持ちをリフレッシュしながら、仕事と切り替えて良い成果を出せるように、環境や必要なものを整えて行ってみてください。

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